平間一也氏が語る、パネルの寿命とメンテナンスの実際 — カタログの数字と、実際はほぼ同じです
太陽光発電について調べていくと、必ずどこかで目にする話があります。パネルは十年から二十年で交換が必要になる。発電量は十年ほどで半分まで落ちてしまう。維持費がかさんで結局は元が取れない。
こうした話は今もよく流通しています。実際のところはどうなのか。株式会社ECODA代表の平間一也さんに伺いました。同社は戸建て向けの太陽光・蓄電池を専門に、3,000件以上の施工を手がけてきた専門店です。
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いまも残っている、三つの思い込み
——お客様と話していて、事実と違うと感じることはありますか。
平間一也氏:三つあります。ひとつ目は、パネルの寿命が十年から二十年で、そのタイミングで交換しなければならないと思われていることです。ふたつ目は、発電量が十年ほどで半減すると思われていること。三つ目は、太陽光はお金持ちが設置するものだと思われていることです。
この三つは、いまだに根強く残っています。おそらく、太陽光がまだ珍しかった時代の情報がそのまま残っているのだと思います。当時と今では製品も価格も変わっていますので、前提から違ってきています。
——ひとつずつ伺います。パネルの寿命についてはいかがでしょうか。
平間一也氏:パネル本体は、交換を前提に考える設備ではありません。設置してから二十年ほど経った時点で交換の対象になるのは、パネルではなくパワーコンディショナのほうです。この二つが混同されて伝わっているのだと思います。
パワーコンディショナは、パネルがつくった直流の電気を家庭で使える交流に変換する機器です。電子機器ですので、二十年前後で交換になります。ここは費用として最初から見込んでおいていただく部分になります。一方でパネル側は、その時点でも発電を続けているのが通常です。
カタログの発電量は、そのまま信じていただいて構いません
——発電量が半減するという話については、どうでしょうか。
平間一也氏:実際のところ、カタログに記載されている数値と実測値はほとんど同じだと考えていただいて問題ありません。
劣化率については、各メーカーが製品の仕様として年間何パーセントという形で公表しています。そして現場で見てきた限り、その範囲から大きく外れることはまずありません。十年で半分になるという水準ではないというのが実感です。
もちろん、設置した屋根の向きや日当たりの条件によって、そもそもの発電量は変わってきます。ただそれは劣化とは別の話で、設置前のシミュレーションで見えている部分です。時間の経過によって想定が崩れていくということは、基本的に起こりません。
洗浄は基本的に必要ありません
——維持費についてはいかがでしょうか。メンテナンスで何が必要になるのでしょうか。
平間一也氏:まずパネルの洗浄ですが、戸建てであれば基本的に必要ありません。傾斜のある屋根に載せていますので、雨で流れていきます。定期的な洗浄が前提の設備だと説明されることがあるようですが、戸建ての屋根置きに関しては当てはまらないと考えています。
先ほど申し上げたパワーコンディショナの交換が、二十年前後で発生します。ここが維持費として見込むべき中心になります。
点検については、状況が変わってきています。以前は現地に伺って確認する必要がありましたが、いまは発電状況をアプリで確認できますので、数値の異常があればその時点でわかります。定期点検という形式そのものが、必要のないものになりつつあると感じています。
国産と海外製で、大きく変わるものではありません
——製品選びについて伺います。国産のパネルと海外製で、違いはあるのでしょうか。
平間一也氏:基本的に、大きく変わることはありません。
海外メーカーであっても日本に支部を持っている場合が多く、保証の対応についても問題のないケースがほとんどです。ここを不安に感じて国産に限定される必要は、必ずしもないと思います。
とはいえ、国内メーカーに安心感を持たれる方は実際に多くいらっしゃいます。長州産業などがその例です。この感覚自体は否定するものではありませんので、納得して選んでいただくことが大事だと考えています。
——三つ目の、お金持ちが設置するものという思い込みについてはいかがですか。
平間一也氏:これも当時の価格が前提になっている話だと思います。いまは補助金の制度も整っていますので、検討の対象になるご家庭の幅はかなり広がっています。
まとめ
今回のお話は、流通している情報と現場の実際がずれている部分の整理でした。
パネルは交換を前提とする設備ではなく、二十年前後で交換になるのはパワーコンディショナのほうです。発電量はカタログの数値とほとんど変わらず、十年で半減するというものではありません。パネルの洗浄は戸建てであれば基本的に不要で、点検もアプリで発電状況を確認できるようになったことで、形式そのものが変わりつつあります。国産と海外製の差についても、保証面を含めて大きな違いはないというのが平間さんの見方でした。
維持費として最初から見込んでおくべきなのは、パワーコンディショナの交換費用です。ここを織り込んで計算していただければ、判断の精度は上がると思います。